地域子ども会議(仮称)「みなとGlocal ワークアウト」 NO.2

「地域子ども会議」とは? 
そして、参加のきっかけは?

とある地域の中学校、小学校、教育委員会、その他地域・子育てに関わる方が幅広く集まる会
仮称:「地域子ども会議」(注:個人名、固有名称は一切オープンにはしないので、これはこのブログだけの仮称です。)
で「みなとGlocal」が一時間ほどのお話をしてくれないか!と講演の依頼を受けました。

当初「みなとGlocal」の活動内容等をお話しさせて頂ければ良いのかなぁと考えて、
「先ずはご質問・ご要望等があればドンドンください!」と
「地域子ども会議」の方にお話ししたところ、いろいろなご質問や要望までも出てきました。

そこで、これは「みなとGlocal」と同じ問題意識を持っていらっしゃる方達の集まりと認識し、
一方的に「みなとGlocal」の活動をお話しするよりも、
「地域子ども会議」の方たちとお互いの問題意識の共有、出来れば解決策のタネだけでも一緒に探せる時間に出来ないか!?
と企画を大幅に変更しました。

地域子ども会議の方々からの
「外国にルーツのある子ども」に関わる問題
への質問とコメント

具体的に「地域子ども会議」からは事前に「みなとGlocal」への質問やコメントを次のとおり、頂いておりました。

 1) 子ども達への公的な外国語のフォローは十分ではない。
 2) とはいえ児童は半年も経てば慣れてくる場合も多い。
 3) 児童の性格や先生との相性もある。
 4) 保護者とのやりとりに苦労がある。(日常の連絡や提出物、学童などの申請書類)
 5) 特に進路指導などは苦労する。(保護者が興味がない場合もある)
 6) 学校での困りごとが発生した際に助けていただくことは可能なのか?
 (三者面談や進路相談時など。岩淵さんではなくどなたかご紹介いただける方がいるのかなども含め)
 7) PTAでもやりとりに苦労がある。(会費の納入やイベント、係の参加について)
・・・等々
どれも私を含む「みなとGlocal」のメンバー自身が体験し、感じ、考えてきたことで
これを広く共有しないといけないのではないか!と強く思っていたことでした。

とは言っても初めて会う人ばかり、かつ、それぞれの組織でそれぞれの立場もあり、「子どもを大切にしたい!」
という気持ちだけで自由闊達な会話が出来、建設的な議論が出来るのか、とても不安に感じていました!

「”みなとGlocal”のワークアウト No.1
[みなとGlocalメンバーで!]

そこで「みなとGlocal」のBlog(2月24日投稿)「”みなとGlocal”のワークアウト No.1 [みなとGlocalメンバーで!]」記載の通り、

「みなとGlocal」の先生方にご協力頂いて予行演習!?を開き、実際の「地域子ども会議」に臨んだ次第です!

詳しくは「みなとGlocal」のBlog(2月24日投稿)をご覧ください!
http://minatoglocal.tokyo/blog/837/

「”みなとGlocal”のワークアウト No.2
[(仮称)地域子ども会議で!]

「地域子ども会議」では冒頭で、事前に頂いた質問やコメントはどれも共感し、同じ問題意識を持っていること、
それ故に「みなとGlocal」の一方的な活動紹介だけでは時間が勿体なく、
この場を借りて「外国にルーツのある子ども」の問題を広く共有し、
出来るならばその解決策のタネを見つけるワークアウトをする時間にしたいと率直にお願いした次第。

「みなとGlocal」からは代表として小澤先生と尾崎先生にご参加頂き、
「地域子ども会議」のファシリテーターとして皆さんをリードして頂きました。
小澤先生、尾崎先生、イベントの際もそうですが、今回もご協力のほど本当に有難うございました。

「地域子ども会議」の方々は中学校や小学校が一校ずつある地域の子どもたちのことを考える集まりです。
個人名、固有名詞は書きませんが、中学校、小学校、教育委員会、その他地域の施設やNPO団体を代表する方々。
お一人お一人、子どもたちのことを常に考えて、「地域子ども会議」に集まっていらっしゃるものと思慮しますが、
同時にお一人お一人の体験や考え、立場も色々で、全てが一致しているはずもないし、
また、それぞれがどんな問題を抱え、どんなことが出来、うまく力を結集するには?、どんなコラボレーションが出来るか?、
どれも一朝一夕で理解し合い、実現出来るはずもないモノだと思います。

でも問題は確かにあり、加えて「地域子ども会議」の皆さんにとっても、子どもにとっても、学校や地域にとっても、
見過ごすことの出来ない、かつ難しい問題だとは誰もが認識していらっしゃる様でした。

「”みなとGlocal”のワークアウト No.2
[(仮称)地域子ども会議で!]
ワークアウトの方法、流れ!

「地域子ども会議」にご参加された方は先述の通り、校長先生、副校長先生をはじめ、教育委員会の方々、
防犯防災関係の責任者の方、図書館の責任者の方、その他様々な地域の施設や団体の方々が
「地域の子どもたちのため!」という思いだけで集まっており、人数は20名を超えていらっしゃいました。
それを1チーム7〜8名程度に分けて、ファシリテーターとして「みなとGlocal」の
小澤先生、尾崎先生、当方(岩渕)が担当し、ワークアウトを進めていきました。

ワークアウトの第一の目標は、
1. 参加している方が一人ひとり自由に発言すること。
 (自由に発言、発想してもらうためにも誹謗中傷は厳禁。
  なおワークアウトで出た発言はどんなに良い発言でも、また特別視する必要のない発言でも全てオフレコです。
  ・・・ですから、この会議に関わる固有名詞、個人名等はこのブログでも基本書きません。)
2. それを付箋にキーワードで表現すること。
 (このワークアウトは一人の人の素晴らしい意見を聞くよりも、全員の意見をみんなで見つめることを重視します。
  沢山の人の意見をみんなで見ることによって、みんなで問題を解決する力、糸口をみんなで見つけようとするトライです。
  なので、お一人お一人長く発言できる時間はありません。
  問題の記載の仕方もキーワードのみで!
  でも、そのキーワードを見つめることで、一人ひとりが考えを深めたり、他の人との共通性、違いを認識したりすることができます。)
3. そのキーワード群をみんなで眺めて、共通性、違い、大切な何かしらを見つけること
 (出されたキーワード群を見つめて、一枚一枚込められた思いを確認し、共通性、違い、関連性をみんなで確認します。
  そうすることで、問題の根本は何かを見つけることが出来たり、解決策のヒントにつながることがあります。)

「地域子ども会議」でのワークアウト結果
「地域子ども会議」で出た意見から!

「地域子ども会議」で出た意見のうち、私(岩渕)が個人的に特にそうだよなぁ、と思った意見は・・・!

一つ目は何事も「コミュニケーション!」
いかにコミュニケーションを上手く取るかが、様々な解決策のポイントになるのでは!とのご意見。

その通りだと思います!

そのためには次のようなことを考えていく必要があると言う意見も出ていた様です。

  1. 外国につながる子供とのコミュニケーションの問題
     A: 言語の問題
      日本語を学んでもらう問題
      外国語を理解する問題
       通訳や翻訳機
     B: 相互理解
      文化や慣習、時に宗教問題も含めたお互いの理解
     C: それらを実現するための工夫や施策、そしてコラボレーション!
      キーワードにすればシンプルに思える問題も一人だけで解決するのは極めて困難。
      まして外国にルーツのある子どもに毎日、関わり、なんとかしてあげようと七転八倒している学校の先生方だけに期待するのは無理があります。
  2. 防災の面から
    また、もう一つ防災の面からも・・・!というコメントを頂きました。
    「今回のワークアウトで色々な意見を交わせて、気づいたことが沢山あり、
    その中で防災関係で日本語が通じない外国から来た大人の方と、どう話をすれば良いか?
    と言うことを常々考えていたけれども、子どもたちのことを考える必要があることを認識できた。」
    「また『外国にルーツのある子どもたち』のことであれば、災害が起きる前から
    外国から来た方々と情報や意見の交換ができる
    かもしれない!?」と感じた!

    こちらも、その通り!

毎日の仕事で忙しいのは日本人も外国から来た方々も同じこと。
忙し過ぎて、防災といえども、言葉が通じ合わない地域の活動で
情報や意見を交換しよう!なんて気持ちもなかなか起きないのでは…!?

でも子どもたちを可愛くて大切に思う気持ちは日本人も外国の方も同じなのでは!?

であれば「日本の子ども」も「外国にルーツのある子ども」も安全に守っていけるように、
地域の皆さんで話し合うことは出来るのでは!?と思う次第です。

例えば学校や地域のイベントで防災関係のことをやり、
外国にルーツのある子どもとご家庭にも沢山周知してみるのも良いのではないでしょうか?

「みなとGlocal」の定期的に行なっている定期イベントでも、
「防災関係」の企画をしたことがあります。
クイズや机の下に隠れる練習等々!

外国の大柄なお父さんも机に下に潜ってくれました。

そこで分かったことは公立小学校や中学校に通っている子どもたちは、
学校の授業や指導で緊急避難場所や初動動作を学んでいる反面、
親御さんたちはその辺りの知識や意識が希薄だったことです。  

楽しみながら、言葉の壁を乗り越えて、大人がどうやって子どもたちを守っていけるか!?

それはきっと自分も含めた大人自身を守ること、毎日をもっと楽しくすることに繋がるものだと思っております。

「地域子ども会議」アンケート結果 
と、お礼の言葉


「地域子ども会議」の後、アンケートにご協力頂きました。
アンケートにご協力いただけた方は2025年2月24日現在で10名。


約4割の方ですが、10名の方皆さんからは
「本日のワークを通して、外国にルーツのある子どもたちの状況や課題について理解が深まりました!」
との高い評価
を頂きました。

でも、これは「みなとGlocal」が話をした内容からではなく、「地域子ども会議」に参加された
お一人お一人が元々持っていらっしゃるご経験やご意見、困り事や懸念をみなさんで共有した結果!、
ただそれだけです。

何はともあれ「みなとGlocal」が参加させて頂き、生意気にもリードさせて頂いた
「みなとGlocalのワークアウト」で沢山の方にそのような思いを持っていただけたのかもしれないと思うと、
まさに無茶なお願いをした甲斐があったと心から小躍りしたい気分でおります。

今回はとある地域の「(仮称)地域子ども会議」に参加させて頂き、
沢山の方に「みなとGlocal」ファシリテートのワークアウトに参加して頂きました。

そこでこのような高い評価を頂いた上に我々「みなとGlocal」にとっても沢山の気づきと
貴重な勉強をさせていただいたこと、
そして何より学校を中心に地域はもっと繋がれる、ローカルからグローバルな関係が創れる!
と改めて確信できた、勇気を持てた!と心から感謝しております。

「みなとGlocalのワークアウト」の性格上、この場で個人名、固有名詞等を出すことは控えますが、
ご参加いただけた方、何より企画してお声をかけて頂いたご担当者さま、
「みなとGlocal」を信頼してこの場をご提供いただいた教育関係の皆さまに
心より御礼をもうしあげたいと思います。

本当に有難うございました。    みなとGlocal 代表 岩渕 拡嗣