”みなとGlocal”のワークアウト No.1 [みなとGlocalメンバーで!]

「みなとGlocal」のメンバー間でワークアウトをやりました。
”きっかけ”
「地域子ども会議(仮称)」での講演依頼
きっかけは、とある地域の中学校、小学校、教育委員会、その他地域・子育てに関わる方が幅広く集まる会
(仮称:「地域子ども会議」(注:個人名、固有名称は一切言うつもりはないので、これはこのブログだけの仮称です。)
で「みなとGlocal」が一時間ほどのお話をしてくれないか!と講演の依頼を受けたこと!
当初「みなとGlocal」の活動内容、夢みたいなものをお話しさせて頂ければ良いのかなぁと考えて、
軽い気持ちで引き受けて、「良くも悪くも隠すことは一切ないので、ご質問・ご要望等があればドンドンください!」と
「地域子ども会議」の方にお話ししたところ、いろいろなご質問や要望までも出てきて、
これは「みなとGlocal」と同じ問題意識を持っていらっしゃる方達の集まりと認識し、
一方的に「みなとGlocal」の活動をお話しするよりも、
「地域子ども会議」の方たちとお互いの問題意識の共有、出来れば解決策のタネだけでも一緒に探せる時間に出来ないか!?
と企画を大幅に変更しました。
とは言っても初めて会う人ばかり、かつ、それぞれの組織でそれぞれの立場もあり、「子どもを大切にしたい!」
という気持ちだけで自由闊達な会話が出来、建設的な議論が出来るのか、とても不安に感じました!
”みなとGlocal”内だけの
ワークアウトを先行!
そこで本当に頼りになる「みなとGlocal」の先生方にお声がけをして、
「地域子ども会議」でのワークアウトを想定した、
「みなとGlocal」内のワークアウトを「地域子ども会議」の予行として
一緒にやってくれないか!?とお誘いした次第です。
2025年2月20日、木曜日の21:00、
みなさん、週の半ばで疲れも溜まっているところを、10人前後の方が集まってくれ、
お一人お一人、お互い特別に顔見知り!というわけでもないのに、
思うところをしっかりお話いただき、又その一つ一つの意見に耳を傾け、
とても意味のある議論、時間を創っていただけたと思っております。
この場を借りてお一人お一人に心より感謝を申し上げたいと思っております。
本当に有難うございました。
ワークアウトのテーマは
「『外国にルーツのある子ども』
というキーワードから
”考えられる問題”と”その解決策”」
この「みなとGlocal」内だけの会議(仮称:「みなとGlocal ワークアウト」)のテーマは
「『外国にルーツのある子ども』というキーワードから考えられる問題とその解決策」
「『外国にルーツのある子ども」というキーワードから考えられる問題」と言っても、実に捉え方は様々。
本来は言葉やテーマの定義をしっかり確認しながら、ワークアウトは進めていくべきかもしれませんが、
ここでは準備時間もなく、またテーマ、問題の範囲はとても広いので、
それを逆手に先ずは色々な立場の方になったつもりで、問題、課題を沢山洗い出してみよう!
という進め方にしました。
つまり、
1) 日本に来て学校に通っている子ども、
2) その子どもたちのお父さん、お母さん、
3) 子どもたちを直接教えている学校の先生、
4) その学校の先生がいる学校、
5) 学校を支える地域、
6) ボランティア団体、
7) それらを管理、サポートする行政関係の方々、
8) そして一見すると「子どもたち」と関わりのない人や
9) 未来の人々・・・!
そんな一人一人になったつもりで、
「『外国にルーツのある子ども』というキーワードから考えられる問題」というものを
キーワードとして一人一人から沢山出してもらいました。
「みなとGlocal」のメンバーは本当に素晴らしい!
出るわ出るわ! 限られた数分の間で本当にたくさんのキーワードが出てきました。
「外国にルーツのある子ども」
というキーワードから
”考えられる問題”

例えば
1) 給食・・・・・給食でのアレルギー、宗教上の問題等は大丈夫?
2) 学校行事・・・行事参加の持ち物から始まって、緊急時の対応等は大丈夫?
3) 服装・・・・・体操服、まして水着となった時は・・・?
4) 挨拶・・・・・「友達との挨拶」と「先生との挨拶」は違うけど・・・?
5) 放課後・・・・放課後の過ごし方はどうしているのだろう?
6) 進学・・・・・十分な進学指導が行われるのだろうか?
7) 親子間の会話・日本語ができない親と日本語を習得した子どもの間の会話は?
8) 防災関係・・・緊急時の対応を学校、地域、行政はどうするのだろう?
・・・等々。
(それぞれのキーワードの説明書きはブログを書いている私(岩渕)の理解によるものなので、
必ずしも発言された方の本来の主旨と異なっている可能性があります。)
当たり前と言えば当たり前ですが、一人の子どもに関わる問題は本当に沢山あり、
先ずはそれを認識した次第。
その中で例えば「友だち」というキーワードを出してくださった方が本当に多かったです。
という事は、即ち子どもたちにとって、または子どもに関わる方々にとって、
「子どもたち一人一人の友だち」がとても大切!と感じていらっしゃる方が実に多いということです。
極論ですが「友だち作り」「友だちとの会話」「友だち関係」がうまくいくことが、
「『外国にルーツのある子ども」に関わる問題」の解決に繋がるヒントでは!
と考えている方がとても多いということだと思います。
キーワードのグループ分け、
類似性、関連性、議論の優先順位付け

その次に「みなとGlocal」メンバーでトライしたことはリストアップされたキーワードのグループ分け!
つまり似た様なキーワードを近くにまとめてみる!
そうすることで、集まったキーワードに込められた意味は本当に同じものなのか、
違うものなのか、関連があるのか、議論すべき優先順位等がなんとなくイメージ出来てきます。
例えば
「給食」というキーワードのそばに「ビーガン」「食べる道具」という言葉を寄せて、重なるところ、違う点を確認しました。
そして、本当に短時間の中で、いくつかグループ付けしたキーワード群の中から、
「アイデンティティ」「宗教」「容姿」「買い物(家庭で買うもの)」「親子間の会話」というキーワード群について、
もう一段深く話をしてみようと多数決で決めました。
少々言い訳がましいですが、この「みなとGlocalのワークアウト」は本当に短時間で行い、
数日明けてから当方一人が個人的にまとめているので、その時の一人一人のメンバーの思い、考え方、
そして全体での意見形成について正式にどこまで正確に記述できているかは、少し自信のないところでもあります。
ただ、間違いなく今回の「みなとGlocalのワークアウト」では、
「アイデンティティ」「宗教」「容姿」「買い物(家庭で買うもの)」「親子間の会話」というキーワード群について、
もう一段深く話をしてみようと多数決で決めたのです。
私(岩渕)個人のこのキーワード群の意味合いは
日本の社会では一見すると「容姿」「宗教」等で特別なものと見做されがち、自身も見做しがちな
「外国にルーツのある子どもたち」が「親子間の会話」もしっかりやって、例えば「買い物(家庭で買うもの)」についても、
自分自身のアイデンティティを確保しつつ、自由に出来るのかしら!?という問いかけだと認識しております。
即ち圧倒的多数のいわゆる日本人、自身も他人からも日本人と自然に認識されやすい子どもたちがほとんどの日本社会で、
「外国にルーツのある子どもたち」には、
学校生活の中で、「買い物(家庭で買うもの)」一つにしても、必ずしも自由にできない、心理的プレッシャーがある、
困ったり、戸惑ったりすることがないのかしら・・・?という問いかけです。
問題が起きる原因は?

次にこのキーワード群の問題が起きるのは何故?またその解決策は?
ということを、お一人お一人から意見を出して頂きました。
例えば原因としては、
「日本 無関心」が圧倒的に多かったです。
おそらく「理解不足」「日本 無知」「日本自身の考え方」「完全理解は困難」
・・・といった言葉も「日本 無関心」に重なる、もしくは類似、関連するものではないかと思います。
その他に
外国にルーツのある子どもの家庭(社会)の方の問題として、
「外国人側の(日本)社会への認識不足」「「異文化 仲間は家族だけ」と言った意識、生活習慣が強い!とか
学校・地域社会から見て、
「学校・地域側の経験不足」
「日本の理解不足 保守的」
と言った意見も出ました。
これも限られた時間の中だったので、私(岩渕)自身が皆さんの意見、考えを正確に認識できているわけではないのですが、
「子ども一人ひとりにアイデンティティ」の問題が起きるのは、
母国から遠く離れた日本に来て、
日本の文化、日本の言葉の中で沢山の勉強や大切な友達作りをして、
そいう言った環境の中で母国に根差したアイデンティティを持て!
と言われても無理があるのでは!という問いかけと理解しております。
それは子ども自身の問題というよりも家庭での工夫や努力が必要で、
同時にそのような家庭(子ども)を取り巻く学校や地域の理解や協力がなければ、
「(外国にルーツのある)子ども」のアイデンティティ、
未来を創っていく子どもたちの根っこのようなモノを育むことはとても難しい!
と言った意見が多かったのではないか!?
と個人的に認識しております。
問題の解決策
「みなとGlocal」では何が出来るの?
何にトライすべき!?

ではどうすれば良いのか?
次の「解決策」は?という問いかけにもたくさんの意見が出ました!
但し、解決策の提示については、実現できる出来ないは別にして、メンバーの一人一人が、
「みなとGlocal」でトライしたいなぁ、トライ出来るのでは!?
と言った意識を持ちながらの解決策を考えてみました。
出された意見は、
A. 家庭丸ごとサポート
B. 買い物情報サポート
C. 宗教問題・授業、イベント
D. 情報提供の工夫(英語訳の並列)
E. 通訳・翻訳機
そして中でも「みなとGlocal」としてトライしていきたいとたくさんの人の意見が出たのが、
F. 自己紹介サポート
G. 外国人との関わり方を学ぶイベント
H. 親子参加のプレスクール開催
I. 学校・地域側の国際意識を高めるイベント
J. 学校の案内のサポート
「自己紹介」レッスン
会話、仲良しになれる最初の一歩!
例えば「自己紹介サポート」としては、「みなとGlocal」のオンラインレッスンの中でも、
「自己紹介」の練習は本当に楽しみながら沢山やっています。
それは「自己紹介」に必要な単語や文法を学ぶという意味合いもありますが、
それ以上に自分は自己紹介の時にどんなことを知ってもらいたい、
相手はどんなことを知りたがっている?
同時に相手の何を知りたい?
それは「自己紹介」が次の会話、最終的には仲良くなれるコミュニケーションに繋がる!
ということをなん度も何度も体験してもらうレッスンになります。
幸い「みなとGlocal」には沢山の先生がいるので、子どもたちは色々な先生と自己紹介の練習ができます。
その中で「好きな食べ物」は何だ?、「好きな動物」は何だ?、と言った会話だけでも、
とても盛り上がるし、時に驚き、時に共通性を感じることができます。
「自己紹介イベント」
一人一人のアイデンティティ、
故郷や大好きなことのお話し
でも、これはそれぞれのオンライン学習支援の中で個別にやっているトライ!。
実は「みなとGlocal」を立ち上げた3年前に、最初にやろうとしていたイベント企画もこれです。
つまり子どもたち一人ひとりに写真や自分の国や家族、好きな食べ物、好きなことを
一枚の模造紙にペタペタ貼ったり、キーワードを散りばめてお話ししてもらうイベント!
昨今の個人情報や、それこそ国家間の問題もあり、簡単な企画ではないかもしれません。
でも子どもたち一人一人が自分のアイデンティティを感じて、自分自身で興味を持って勉強し、
自分の言葉で考え、それを出来うるならば日本語でも沢山の人たちと共有していける様にサポートする!
それが「(外国にルーツのある)子どもたち」への本当の意味でのサポートだと思っています。
また少々大袈裟に言えば、大の大人が沢山集まっても出来ない素敵な国際交流を
子どもたちはいとも簡単にやって、素晴らしい光景を見せてくれるかもしれない、とも夢見ております。
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「みなとGlocalのワークアウト!」
これからもやってまいります!
今回「みなとGlocal」のメンバーでトライした「みなとGlocalのワークアウト」は、
本当にごく限られた時間の中でトライした問題の洗い出しと、共有、そして解決策の提案です。
でも「みなとGlocal」はこれからも、このような交流、問いかけ、話し合いを
機会あるごとに続けていきたいと思っています。
何故なら、それが「みなとGlocal」。
「みんな」と「グローバル」な「小さなローカル・コミュニティ」を沢山創って、
世界中にアピールしていきたい!
「みなとGlocal」の追い続けたい夢だからです!
改めて、今回も無茶振りに応えてくださった「みなとGlocal」の先生方、
今回は参加はできなかったもののご意見、叱咤激励を頂けた先生方に、
この場を借りて改めて深く感謝の気持ちを表明したいと思います。
本当に有難うございました。
これからも引き続き、宜しくお願い申し上げます。
みなとGlocal 代表 岩渕 拡嗣